2017-09-19 潜る話 海に潜っているときは孤独になる。 外界の音はほとんど聞こえず、自分の呼吸音ばかりが頭に響く。 自分の身体の周りは水が覆っている。 隣にはバディやチームメイトがいるが、目元とジェスチャーでしか意思疎通できない。 だが、不思議と独りではない。 むしろ、限られた伝達手段しかない状況が連帯感を強くする。 そこには空気のあるところで言葉を交わすより強いコミュニケーションがある。 自分たちだけが異世界に取り残されたような気持ちになる。 そこには恐怖や怯えではなく、心地よい孤独感が漂う。